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その4 / パフォーマンス恐怖症

社交不安障害(Social Anxiety Disorder、SAD)の 概念の成立と変遷

その4 / パフォーマンス恐怖症

 このように、スピーチ恐怖症を初めとするパフォーマンス恐怖症から始まり、全般性を含むように概念が拡張するとともに、社交恐怖から社交不安障害(SAD)と名称さえ変わり、パフォーマンス恐怖症は陰が薄くなっていたのが、DSM-5で再び、亜型として浮かび上がった。その背景には国が違ってもパフォーマンス恐怖症が存在することなどがあります。では、パフォーマンス恐怖症は増加しているでしょうか。Heimbergら(2000)は、上述の一般人口を対象とした上述の米国併存症研究NCSのデータを分析した結果、スピーチ以外を恐怖・不安である(恐怖の対象が複数の場合を含む)群はコホート効果(最近生まれた人ほど低年齢から発症する)が明確であり、今後の有病率の上昇傾向が示されました。それも教育を受けた、既婚の白人でありました。一方でスピーチ恐怖症にはコホート効果が認められず、有病率の上昇傾向はありませんでした。パフォーマンス恐怖症は、国境を越えて普遍的ですが、社交がより重要である先進国であるからと言って増加傾向にはないのです。

 また、臨床場面からもDSM-5のパフォーマンス恐怖症に対しては疑問が投げかけられています。Kernsら(2013)は受診した社交不安障害(SAD)児童・青年患者204例を対象にDSM-5の診断基準がどの程度有効か検証しました。その結果、64.2%がDSM-IVの全般性に分類されましたが、DSM-5のパフォーマンス恐怖症と分類された対象者は1例もなかったのです。この傾向は一般人口中でも同様で、上述のNCS研究で13~18歳の10123名を対象に面接調査をした結果、9%が社交不安障害(SAD)の生涯診断を有し、55.8%もがDSM-IVの全般性に合致した一方、DSM-5のパフォーマンス恐怖症はわずか0.7%でした(Burstein Mほか、2011)。一般に全般性の社交不安障害(SAD)の方が重症で、発症年齢が早く、パフォーマンス恐怖症を含む限局性では、発症年齢が遅いです。一方で、スピーチ恐怖症を初めとするパフォーマンス恐怖症は家族内集積が認められず、反応が過剰で、発症年齢がより遅く、子供の時からの恥ずかしがり屋(行動抑制behavioral inhibition)と関連しません。このように見ると、全般性が、行動抑制という気質から始まり、回避性パーソナリティ障害を併存することが多いという、気質、パーソナリティ、症候学的に均一性が高いのに比べて、パフォーマンス恐怖症では、異質性の高さ(色々な臨床背景を有していること)が目についてしまうのです。

その5 / 社交不安障害(SAD)の病像と治療

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関西テレビ
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社会不安障害について説明いたしました。 (2015/01/19放送)

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