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はじめに / 患者数の急増と無責任な犯人捜し

現代のうつ病治療

はじめに/患者数の急増と無責任な犯人捜し

 ここ10年の時代の変化と共に精神科臨床を取り巻く環境は大きく変わりました。自殺者が3万人を越える状態が続いており(H24年度には色々な対策の結果、幸いにも3万人を切りましたが)、自殺対策が社会的な問題となっています。心理学的剖検(自殺者既遂者の精神科的診断を検討すること)研究では、1/3が気分障害とされ、自殺対策の要として、気分障害をどう受診に結びつけ治療するかが課題とされるようになりました。この様な自殺の数と、その悲劇の大きさは、人々の心を動かし、政府に自殺対策の重要性を認識させるに至りました。例えば、医師会などを通じて、精神科医以外の医師に対して働きかけが行われ、かかりつけ医に受診したときに、うつ病が疑われた場合は、精神科への受診を促すようにとされています。企業での健診(定期健康診断)でも、メンタルヘルスへの配慮が義務づけられています。さらにはストレスチェックも義務づけられそうです。

 しかし、自殺対策の重要性が指摘される以前の1999年を境に、精神科を受診する患者が急増していました。政府(社会保障審議会医療部会)は、2011年7月に、従来の4大疾病(がん、脳卒中、心臓病、糖尿病)、5事業(救急、災害、へき地、周産期、小児)から精神疾患を加えて5大疾患、5事業とすることを決めたのは、受診患者の増大を無視できなくなったからです。これほど上昇しても、現在までの最新の日本での一般人口(一般の住民の方を対象として調査員が戸別訪問して)を対象とした気分障害の有病率研究では、まだまだ、日本の有病率は欧米に比較して数分の一です。しかし、将来的な有病率の上昇はどうでしょう。その方法として、コホート効果の検討があります。それは各年代ごとに、ある年齢までにその病気になったかを調査し(例えば1934年生まれと、1965年生まれで、26歳までに何人がうつ病になったかの比較)、統計学的に処理します。すると、日本のでは、1934年以前生まれた人に比べて、1965年以降に生まれた人の気分障害の有病率は32.9倍でした。この値は同時期に調査された欧米、アジアなどの諸外国に比べて最も高く、格段に高い値でした(例えば米国が9.5、ドイツが12.2、スペインが9.6でした)。さらに最も有病率が高いのは20~34歳に区分された年齢層でした。過去、うつ病は初老期に好発するものとされていました。それが、もはや初老期の障害ではなく、青年、若年成人期の障害になってしまいました。

 この様な日本の精神医療の変化は、新規抗うつ薬の上市と、direct-to-consumer advertising (DTCA、テレビコマーシャルなどを通じて、消費者である患者に抗うつ薬の使用を呼びかける)や、町中に多くのメンタルクリニックができたことが、主な原因であると非難されました。しかし、それは、従来の薬物療法と休息療法の組み合わせの治療効果が薄く、患者側からいくら「最新」の薬物療法を行っても治らないことを責められた臨床家の嘆息でしかないようにも思えます。

 筆者が長く診療に関わってきた不安障害や摂食障害では、薬物療法より精神療法的アプローチが優先しますし、それは当然のことで、だれも疑問を差し挟みません。確かに、不安障害が「神経症」の枠組みから離れ(この部分は、一般の方には難しいので、また、別の機会にご説明します)、不安障害というentity(存在)を得たのには薬物療法の進歩が関連しています。だからといって精神療法的アプローチの重要性が減じたわけではありません。その点、樽味伸(2005)が最近の「ディスチミア親和型」(樽味,2005)に対する抗うつ薬の効果に関して「対症的なものに過ぎないけど”下地”としてはあってよい程度に考える」と述べているのに一致します。筆者の最近の論文では躁うつ病とパーソナリティ障害との関連にまで進めていますが(Nagata et al 2013)、本稿ではうつ病に話を絞っています。次の章からは、(その1)いわゆる現代型うつ病の登場、(その2)患者の抱える生きにくさが、患者自身の問題や弱さのためでも、その親御さんの責任でもなく、社会全体の問題であることを説明します。そしてその社会全体の病理は日本の特有の問題ではなく、先進諸国共通の悩みであることを説明します。(その3)最後に治療者側からの視点を少し説明します。

その1.従来にないうつ病の出現。症候学的変化

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社会不安障害について説明いたしました。 (2015/01/19放送)


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