パニック障害・パニック症治療
特に自動車運転、機械操作との関連で
診断
パニック発作の診断は実はかなり簡単です。パニック発作に見られる多彩な自律神経系の身体症状は身体疾患でも起こりうります。そこで、甲状腺機能亢進症、糖尿病性ケトアシドーシス、肺塞栓、心筋梗塞や不整脈を初めとする心臓疾患、喘息などの呼吸器疾患、低血糖などパニック発作を起こしうる身体疾患の除外を行います。ここからが、少しややこしいのですが、パニック発作があるからといって必ずしもパニック症・パニック障害とは限らないのです。広場恐怖症、限局性恐怖症、社交不安障害、心的外傷後ストレス障害など可能性もあります。それらの精神障害の場合、明確な恐怖の対象、怖がっているものがあり(例えば、高所、閉所、暗所、昆虫など)、そのような状況ではパニック発作が引き起こされます。また、抑うつ障害、双極性障害、衝動制御障害、物質使用障害でもパニック発作を伴いうります。さらに、診断閾値以下を含めてパーソナリティ障害がパニック症・パニック障害に併存していることも多いのです。
自動車運転を恐怖し、回避する「運転恐怖症」(正式な診断名ではありませんが)、パニック症・パニック障害である場合のほか、最も多いのは交通事故に関連した心的外傷後ストレス障害や限局性恐怖症です。そのほか、高所恐怖症(橋、高架橋)や閉所恐怖症(トンネル)などの限局性恐怖症、広場恐怖症の可能性もあります4)。さらに強迫症で「人を轢いてしまったのではないか」と心配して何度も確認を行うため、自動車運転を回避している場合もあります。
本ホームページではパニック症・パニック障害が主診断である場合で、ご説明を進めます