その6/治療
社交不安症(社交不安障害)薬物治療の第一選択はSSRIです。社交不安症(社交不安障害)のプロトタイプに合致する場合、SSRIの有効率は高率です。ただ社交不安症(社交不安障害)の重症例では、治療開始時点で薬物療法だけでは限界があることが予想されるので臨床心理士による認知行動療法併用が考慮されます。事実、メタアナリシスというこれまでの研究を科学的に総括した結果では認知行動療法と薬物療法の併用療法が最も効果的でした。常に嫌われないように注意をしていて嫌われるはずがないという他者視線など、より対人相互関係に特化した認知行動療法が有効です。一方、Social Mishap Exposuresといった手法は、目立ちたがり屋のパフォーマンス恐怖症に有効でしょう。ところで現在、就労・就学できている人にとっては、平日の昼間の時間に予約通りに定期的に臨床心理士による認知行動療法に通院することはかなりの重荷です。治療側と、よく話し合う必要があります。